2014.03.12
ちょうど三年は四年目の始まり
きのうは東日本大震災から三年。
日本中が被災地への祈りに包まれた一日でした。
きのうは富岡駅前に住んでいらっしゃった渡辺さんにご協力いただいて、
news everyの藤井キャスターと一緒に富岡駅周辺の”いま”を
中継でお伝えしました。
渡辺さんとの出会いは
去年12月。
避難指示区域内の状況を自分の目で確かめたいと思い
富岡駅を訪れたとき、
たまたま渡辺さんも一時帰宅されていて
ご厚意で家の中を見せてくれました。
その時、はっと衝撃を受けたのは、
一階の白い壁に定規で引いたように走る黒い線です。
私の身長より少し高い位置に
津波の跡がそのまま残っていました。
季節を三度廻っても、変わらない震災の傷跡。
そして前に進みたくても進めない複雑な事情を抱えたふるさと・・・
現場に立ちすくみ、この現状が忘れ去られてはいけないと思いました。
しかし、その後、初めて震災を伝える、
大きな壁にぶつかりました。
関東圏への放送は
福島の現状を知っていただく大切な機会と思いつつも、
実際にそこに住んでいたわけではない私が
どうすれば住んでいた方々の気持ちを代弁できるか悩みました。
こんな私に何ができるだろうという葛藤もありました。
そこで富岡町のなるべく多くの方に、お話を伺うことにしました。
仮設や借り上げ住宅で暮らす方、新天地で店を始めた方、役場の職員。
ずうずうしい私に、
心優しい富岡の人たちは
お茶を入れながら本音を語ってくださったり、
時には私の甘さを叱ってくださったり、
帰り際に「応援してる」と言ってくださったり・・・
何とか中継の日を迎えることができました。
ふくしまの思いが少しでも届いていれば幸いです。
今回の取材や中継を通して、
改めて復興の難しさを感じましたが、
同時に、困難を抱えながらも前向きに生きる人たちに
多くのことを学びました。
仕出し屋を営んでいた渡辺さんは、近く、新天地で店を開く予定です。
震災三年が過ぎ、今日は四年目の第一日。
その一日をまたいでも目に見える変化はありませんが
私も しっかり取材し、お伝えできるよう踏み出していこうと思います。
これからもたくさんの方に会い、お話を伺って参ります。
どうぞ よろしくお願いします!
富岡駅前です。津波の被害とは対照的に奥には美しい海が静かに広がっています。 |
去年12月に撮影した駅舎。震災後も今も変わっていません。線路に伸びた雑草だけが時の経過を感じさせます。 |
今回何度もお世話になりました。富岡町の渡辺さん、ありがとうございます。新しいお店のオープン、応援しています! |
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