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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
for the better way of presentation
 福島県の人は「PR下手」と言われる事があります。確かに、福島県の農産物は美味しい、日本酒は全国新酒鑑評会で6年連続の金賞受賞数日本一、温泉も豊富で風光明媚な所も多い…もっと評価されても好いように思いますが、原発事故の風評を別にしても、まだまだ魅力や良さが伝わり切っていない感じもします。それは県内の企業も同じようです。PRやプレゼンは大事、それは2020年の東京オリンピック・パラリンピック誘致の際の「おもてなし」プレゼンでも感じられた事。そこでそんな企業の求人力を高めるちょっと珍しい講座が、先日西郷村で開かれました。それは自社の魅力を巧く伝える力=プレゼン能力を高めるための講座です(今日はその講座の模様を取材・放送したので、その放送内容とこぼれ話を書きたいと思います)。

企業向けのプレゼン能力向上講座が開かれた(取材映像の画面を接写したので、映りが悪くて済みません)
企業向けのプレゼン能力向上講座が開かれた(取材映像の画面を接写したので、映りが悪くて済みません)
 県内でも企業向けのプレゼン能力向上講座は恐らく初めてらしく、これを企画したのが県南企業の振興を支援する一般社団法人「産業サポート白河」で、発案したのは角田祥隆さん。角田さんは以前、『ゴジてれChu!』の月曜の料理担当でパスタ世界大会の初代チャンピオン山田剛嗣さんを招き、学生と企業が山田さんの料理を食べながら交流する場を設けるなど、新たな角度から企業と学生の「仲立ち」をしている人で、去年もその様子を取材・放送させて頂きました。その角田さんは、合同企業説明会等で気になった事があったと言います。
「企業のPRタイムがあったのですが、会社に魅力があっても、それが十分学生側に伝わっているのかな?採用担当者が魅力をキチンと学生たちに伝えられないと人材マッチングに繋がりにくいのでは?と疑問に思ったのです。」
 角田さんは人事経験者を第一条件に、企業のプレゼン力を高める講師を探します。その中で、角田さんは或る人を見つけました。
「俳優が教えるプレゼンテーションとはどういうものなのか、に興味がわいたんです。」
 角田さんが白羽の矢を立てた講師は、岩下宏一さん。実は、劇団四季の元俳優という異色の経歴の持ち主だったのです。


(一社)産業サポート白河の角田さん。プレゼン講座の発案者。
(一社)産業サポート白河の角田さん。プレゼン講座の発案者。
 岩下さんは京都大学卒業後、某有名企業の人事で働きます。しかし或る時、人事は人事でも「ミュージカル俳優の採用過程」に興味を持つと、ミュージカルの専門学校に通って劇団四季に何と一発合格。4年に亙って『ライオンキング』など3作品500ステージに出演します。退団後は「人事の経験を生かせる企業に」と、別の企業に就職し、他社の人材採用を支援する業務や自ら人事部長として採用経験を積み、その後人事コンサルティング関連の会社を作って独立と、まさに「人事」が天職の人なのです。
 インタビューの際、事前に岩下さんから頂いた劇団四季時代のご自身の拡大写真を持っていくと、カメラの前で
「私、こう見えますが、(自ら拡大写真を顔の横に並べ)劇団四季にいました」
と、テレビ的なカットの撮影もこなして頂くなど、とてもサービス精神旺盛な方。
「出来れば、劇団四季時代の歌を一節…」
と無茶なお願いにも
「心配ないさ~♪」
と、衰え知らずの美声を披露して下さいました。

「プレゼンの仕方で学生の採用は正直変わるものですか?」
と伺うと、間髪を入れず
「変わります。自慢ではありませんが、私が説明すると、前の年の倍の応募がありました」
と、経験が裏打ちする自信を見せていました。
「大事なことは2つあって、一つは話の組み立て方、もう一つは話し方です。」
講師の岩下さん。昔の写真パネルを持っていくと、同じ表情をしてみせてくれた。
講師の岩下さん。昔の写真パネルを持っていくと、同じ表情をしてみせてくれた。
 今回の講座には、県南の企業の採用担当者約30人が集まりました。岩下さんは、スライドを使いますが、基本的に参加者の目を見て、時折参加者の座るテーブルの間を歩きながら、劇団四季で学んだ舞台での伝え方、コミュニケーションに必要な事を次々と語っていきます。
「1対多でも、要所要所で考える間をとる事。間というのは、いけないものではない。人は間で考えるんです。」
「皆さんが伝えるのはこの1点だけ、応募者にとって何が良いのか、どんな未来が待っているのか、という事をとにかくアピールする事。」
「ポイントは少なければ少ない方が良いし、10伝えて1しか残らないよりも、3伝えて2残った方が結果良いんです。」
 他にも昔話を例にとった「記憶に残りやすいストーリー構成」や「なぜ劇団四季では、語る前に聞く事を大切にするのか」、「美しい姿勢、してはいけないモーション」等、アナウンサーとしても勉強になるような方法論が、岩下さんの口から溢れ出てきます。
 しかも岩下さんの講座は、コツを学んだら即実践。ほかの参加者を応募者に見立てて何回も練習する機会を持ち、参加者自らがコツを具体的に生かす話し方に挑戦し、それを岩下さんが見て回ります。
 参加した担当者からは、
「自分の喋り方はあまりよくなかったと気付けたが、気付きだけではなく、やはり練習が必要と思った。」
「ワークが凄く多くて、実践を通しながら学べるのが良かった。」
「今後の採用という部分で、プレゼンの仕方、その前の段取りをしっかりすべきと勉強した。」
等、プレゼンに必要なエキスが身に染みた様子。
 岩下さんを呼んだ角田さんも、
「目から鱗。ダンサーに学ぶ立ち居振る舞い、今まで気付かなかった自分の癖とか欠点なども気付いた事が多かったのではないでしょうか?(参加した皆さんには)就活が解禁される来年の2月~3月に向けてしっかりトレーニングに励んで頂ければ」
と、プレゼン力向上に期待していました。
 県内の有効求人倍率は10月現在1.50倍と「売り手市場」が続く中、企業の皆さんは「応募者が未来を思い描ける」プレゼンにすべく、研究が続く事でしょう。県内企業の良さや魅力が今まで以上に、県内外の応募者に通じるよう願います。
参加者を前に、熱く語る岩下さん。4時間の講座があっという間だ。
参加者を前に、熱く語る岩下さん。4時間の講座があっという間だ。
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